Technology and music life
 
VST2サポート終了の流れと、旧プラグインが動かない問題への備え

VST2サポート終了の流れと、旧プラグインが動かない問題への備え

「昔の定番フリープラグイン、入れたのに動かない」。
その原因の多くが、DTM界で静かに進行している世代交代——VST2サポートの段階的終了です。
今日はこの流れの背景と、ユーザーとしての身の振り方をまとめます。

何が起きているのか

VST規格を作ったSteinbergは、すでに新規のVST2ライセンス提供を終了し、業界全体でVST3への移行を進めています。
これを受けて各DAWも新バージョンでVST2サポートを縮小・廃止する流れにあり、Studio Oneも例外ではありません。
つまり「昔は動いていたプラグインが、DAWを新しくしたら動かない」は今後ますます普通のことになります。

VST2とVST3の違いの比較図。これから入れるならVST3

年表で見ると分かりやすい

  • 2018年 — Steinbergが新規のVST2ライセンス発行を停止。この時点で「新しいVST2プラグイン」は生まれなくなった
  • 2022年1月 — Steinbergが「24ヶ月以内に自社ホスト/プラグインをVST3のみ対応にする」と正式発表
  • それ以降 — 規格の本家が引導を渡した形となり、各DAWの新バージョンでのVST2縮小・廃止が既定路線に

つまりVST2の終了は突然の話ではなく、もう何年も前から予告されていた閉店なんです。
「昔の定番」が今動かないのは、この年表の上を私たちが歩いてきた結果というわけですね。

VST2終了までの年表。2018年に新規ライセンス停止、2022年1月にVST3のみ対応を正式発表、以降各DAWで縮小

ユーザーがやるべきこと3つ

  • これから入れるものは常にVST3版を選ぶ — インストーラーのチェックボックスでVST3を必ずON。VST2しかない配布物は導入前に一考
  • 手持ちの主力プラグインのVST3対応を確認 — メーカーが対応版を出していれば無償アップデートで移行できることが多い
  • VST2にしか存在しない骨董品は「延命しない」判断も — 開発終了した無料プラグインに制作環境を縛られるより、代替を探す方が長期的には健全

「昔の記事」を読むときの注意

DTMの入門情報は2010年代の記事が今も検索上位に残っています。
そこで紹介されている「神フリーVST」は、VST2のみ・32bitのみ、という骨董品も少なくありません。
入れる前に配布ページの更新日と対応形式(VST3/64bit)を確認する癖をつけるだけで、認識されないトラブルの大半は予防できます。

VST3/VST2と64bit/32bitの対応マトリクス。VST3の64bit版が正解で、32bitのVST2は今のDAWでは動かない

初心者がやりがちなミス

  • 32bit版プラグインを64bit環境に入れる — VST2/3以前の非互換。今のDAWは64bit版のみが対象です
  • ブリッジソフトでの延命に時間を溶かす — 動いても不安定と隣り合わせ。制作が止まるくらいなら代替探しへ
  • 古い解説記事の手順を今の環境でそのまま再現しようとする — 記事の日付は必ず確認。5年前の「定番」は今の非定番かもしれません

まとめ

  • VST2は規格として引退へ。DAW側のサポート廃止は既定路線
  • 新規導入は常にVST3版。主力の対応状況は今のうちに確認
  • 古い紹介記事のプラグインは更新日と対応形式を見てから