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EQの「Q」ってなに? 山の太さを決めるつまみの話

EQの「Q」ってなに? 山の太さを決めるつまみの話

EQで山を作ろうとすると、だいたい3つのつまみが出てきます。
周波数(どこを)、ゲイン(どれだけ)、そしてQ。

最初の2つは意味がわかります。でもQだけ、回しても何が起きているのかピンとこない。
数字も「0.7」とか「8.0」とか、単位もないし大きいのが良いのか悪いのかもわからない。この記事はそのQの話です。

Qは「山の太さ」を決めるつまみ

Qの値による山の幅の違い

結論から言うと、Qは山(または谷)の幅です。
中心の周波数も、持ち上げる量も同じなのに、Qを変えると巻き込む範囲だけが変わります。

Qの数字が小さいほど山は広く、大きいほど山は狭くなります。
ここが直感と逆なので最初は戸惑いますが、「Qが大きい=鋭い」と覚えてしまえば大丈夫です。

なぜ逆なのかというと、Qはもともと「中心周波数 ÷ 山の幅」で計算される値だからです。
幅が分母にあるので、幅が狭くなるほど数字は大きくなる。理屈がわかると覚えやすいですが、実作業では「数字がデカい=細い」とだけ覚えておけば困りません。

どのくらいの数字がどのくらいの幅なのか

  • 0.5〜1.0あたり:かなり広い。1オクターブ以上をまとめて動かすイメージ
  • 1.0〜2.0あたり:標準。多くのEQの初期値がこのへんにいる
  • 3.0〜6.0あたり:狭い。狙った帯域だけを動かす
  • 8.0以上:ノッチ。ほぼ一点だけを抜く

プラグインによって範囲が違うので、数字そのものより画面のカーブを見るのが確実です。
EQは耳と目の両方で判断するものなので、数字の暗記はあまり意味がありません。

削るときは狭く、足すときは広く

Qの広さごとの使い分け

実作業で一番役に立つ指針がこれです。

何かを削るとき、たいていの原因は一点に集中しています。
耳に刺さる音、ブーンという共振、こもりの原因。これらを広いQで削ると、原因以外の必要な音まで一緒に減って、音が痩せます。だから狭く削る。

逆に足すときは、広い方が自然に聞こえます。
狭いQでブーストすると、そこだけが不自然に飛び出して「EQかけました」という音になりやすい。全体を明るくしたいなら、広くゆるく持ち上げる方がきれいです。

\あるある〜/ 上手い人のEQ画面を見ると、ブーストは全部なだらかで、カットだけが妙に鋭い。あれは偶然じゃないんですね。

ノッチ ― 極端に狭く、深く削る

通常のカットとノッチの違い

Qを限界まで狭くして深く削る使い方を、ノッチと呼びます。
「ここのブーンという音だけ消したい」のような、明確な犯人がいるときの手段です。

ただし万能ではありません。
ノッチは効く範囲が極端に狭いので、犯人の音程がちょっとでもズレると効かなくなります。ボーカルのように音程が動くものに対しては、ノッチを固定で置いても逃げられてしまう。

ノイズのようにずっと同じ高さで鳴り続けるものに対して使うのが本来の用途です。
ノイズの種類そのものについてはノイズの種類と対処法でも触れています。

初心者がやりがちなミス

  • Qを狭くしたまま全部やろうとする:カットで覚えた狭いQのままブーストすると、ピーキーで不自然な音になります。足す・削るで持ち替えるものだと思ってください。
  • 数字で正解を探す:「ボーカルはQ2.0が正解」みたいな覚え方をすると、素材が変わった瞬間に破綻します。Qは素材の癖の幅に合わせるものです。
  • ノッチを深く入れすぎて音が痩せる:犯人を消したつもりが、その音の芯まで消していることがあります。削った後は必ずバイパスして、元と比べましょう。

まとめ

  • Qは山(谷)の幅。数字が大きいほど狭く鋭くなる
  • 削るときは狭く、足すときは広く。これが基本の持ち替え
  • ノッチは「ずっと同じ高さで鳴るノイズ」専用の手段
  • 数字を覚えるより、画面のカーブと耳で判断する

次は「ブーストよりカットが先」と言われる理由を書きます。
これもよく聞くけど、理由まで説明されることが少ない話です。

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