MIDIとは、「音」そのものではなく「演奏の指示」を記録したデータです。
DTM初心者の誤解ランキングがあれば、間違いなく上位に入るのがこの「MIDIには音が入っている」問題。
ここが腑に落ちると、打ち込みの世界が一気に見通しよくなります。
MIDIは楽譜、音源は演奏者
一番分かりやすいのは楽譜のたとえです。
楽譜には「ドを4分音符で、強めに」という指示が書いてありますが、楽譜自体は音を出しません。
演奏者に渡して初めて音になります。
- MIDIデータ = 楽譜(どの音を・いつ・どの強さで弾くかの指示)
- 音源(ソフト音源) = 演奏者(指示を受けて実際に音を出す)
だから、ネットで拾ったMIDIファイルをそのまま再生したときに鳴るショボい音は「MIDIの音」ではありません。
あなたのパソコンに標準搭載されたお世辞にも豪華とは言えない演奏者が弾いた音です。同じMIDIでも、豪華な音源に演奏させれば豪華な音で鳴る。
これがMIDIの本質です。

MIDIに記録されている中身
指示の中身は主にこの3つです。
- ノート — どの高さの音を、いつからいつまで鳴らすか
- ベロシティ — どのくらいの強さで弾くか(0〜127の数値)
- コントロールチェンジ(CC) — 音量やペダルなど、演奏中の細かい操作
全部「数値の指示」であって、音の波形は1バイトも入っていません。
だからMIDIファイルは何分の曲でも数十KBと軽いのです。
「MIDIキーボードから音が出ない」の正体
この理解があると、初心者定番のもう一つの悩みも解決します。「MIDIキーボードを買って繋いだのに音が出ない」——当然ですw
MIDIキーボードは指示を送る装置であって、スピーカーも音源も積んでいません(積んでいる機種もありますが例外です)。
DAW側でインストゥルメントトラックを作り、音源をセットして、そこに指示を送って初めて音が鳴ります。

Studio One 6なら、ブラウザから音源をドラッグ&ドロップするだけでトラックごと作られるので、まずは付属のPresence XTで試してみてください。
オーディオとMIDIの違い
DAWの中では、この2種類のデータを常に区別して扱います。
- オーディオ — 音の波形そのもの。録音した歌など。後から音の高さや長さを大きく変えるのは苦手
- MIDI — 演奏指示。音の高さも長さも音色も、後からいくらでも描き直せる
「歌はオーディオ、伴奏の打ち込みはMIDI」——最初はこの理解で十分です。

おまけ: ピアノロールの読み方
上の比較図の右側に出てきた、MIDIを編集する画面が「ピアノロール」です。
読み方は3つだけ。
縦が音の高さ(上に置くほど高い音・画面の左端に鍵盤が表示されます)、横が時間(左から右へ流れる)、ブロックの長さが音の長さ。
音の強さ(ベロシティ)は、ブロックの色の濃さなどで表示されることが多いです。
つまり、楽譜がまったく読めなくても、ブロックを積む感覚で曲が作れる。
これがMIDIとピアノロールという発明の、いちばん革命的なところです。
まとめ
- MIDIは音ではなく演奏指示。楽譜と演奏者の関係で覚える
- ショボい音の犯人はMIDIではなく、演奏している音源
- MIDIキーボード単体では音は出ない。DAW+音源とセットで初めて楽器になる