エフェクトのかけ方には、実は2つの流儀があります。
インサートとセンド。
どちらでもリバーブはかかるのに、なぜ使い分けるのか——ここが分かるとミックスの設計が一段クリアになります。
インサート = 直列(関所)
インサートは、トラックの通り道にエフェクトを直接差し込む方式です。
音の全量が必ずエフェクトを通過する、いわば関所。
EQで削る、コンプで揃える——「音そのものを変える」処理は、全量にかかってほしいのでインサートが基本です。

センド = 並列(コピーを送る)

センドは、トラックの音のコピーを別の場所(エフェクト専用トラック)に送り、処理された響きだけを元の音に混ぜる方式です。
素の音はそのまま保たれ、そこにリバーブの響きが「足される」。
このときエフェクト側はウェット100%にしておくのが定石です(素の音は元のトラックが担当しているので、響きだけ返してもらえばいい)。

なぜセンドを使うのか
- 1つのリバーブを全員で共有できる — ボーカルもコーラスも同じリバーブに送れば、同じ部屋で歌っている一体感が出て、CPU負荷も1台分で済む
- 素の音と響きを別々に調整できる — 響きの量はセンド量で、素の音はフェーダーで。混ざり物にならない
- 目安はシンプル — 音を「変える」ならインサート(EQ・コンプ)、響きを「足す」ならセンド(リバーブ・ディレイ)
初心者がやりがちなミス
- リバーブを全トラックにインサートする — CPUを無駄に食い、部屋の一体感も出ない。センドで共有を
- センド先のMixを100%にしていない — 原音が二重に鳴って濁る。センド先はウェット100%
- EQやコンプをセンドで使う — 音そのものを変える処理は全量にかけたい。インサートが基本
まとめ
- インサート=直列。全量が通る。EQ・コンプ向き
- センド=並列。コピーを送って響きだけ混ぜる。リバーブ・ディレイ向き
- センド先はウェット100%が定石。1台を全員で共有できるのが強み