歌ってみたを人に頼んだり、誰かの曲に参加したりすると、急に飛んでくる言葉があります。
「パラでもらえますか」「2mixで大丈夫です」「ステムください」。
界隈では日常語ですが、初めて聞くと完全に暗号ですw
10月の締めくくりに、この辺りを整理しておきましょう。
違いは「どこまでまとめてあるか」

この一群の言葉は、音のまとまり具合を表しています。
バラバラの状態から、1本にまとまった状態まで、段階があるだけです。
- パラデータ — 全トラックを個別に書き出したもの。いちばんバラバラ
- ステム — ドラム・ベース・ギターなど、グループ単位でまとめた数本
- 2mix — 全部ミックスして左右2chの1本にしたもの
下に行くほどまとまっていて、後から手を入れられる余地が減ります。
パラなら個別に調整し放題、2mixなら全体にしか手を入れられない。
だからMIXを頼む側はパラを渡すのが基本になるわけです。
用語辞典

実際のやり取りで出てくる言葉を、まとめておきます。
- オケ — 歌を除いた伴奏。「カラオケ」の略
- 2mix — ミックス済みの1本(左右2ch)。「オケの2mix」なら伴奏の完成版
- ステム — パート群ごとにまとめた数本
- パラデータ(パラ) — 全トラックを個別に書き出したもの。マルチトラックとも
- ドライ / 生データ — エフェクトをかけていない素の音
この5つが分かれば、たいていのやり取りは通じます。
ミックスとマスタリングの違いと合わせて押さえておくと、依頼のときに話が早いです。
よくある行き違い

用語が分かっていても、実務では行き違いが起きます。代表的なものを3つ。
- 「パラでください」に2mixを送る — バラバラの状態が欲しいのに、混ぜたものを渡してしまう典型
- エフェクトをかけた状態で送る — 外せないのでMIX側で調整できなくなる。基本は素の音(ドライ)で
- トラックごとに長さや開始位置がバラバラ — 曲頭から同じ長さで書き出せば、相手は並べるだけで揃う
特に3つ目は、送る側が少し気をつけるだけで相手の手間が激減します。
全トラックを曲の先頭から同じ長さで書き出す——これだけで「丁寧な人」になれますw
そして迷ったら、「何を、どの状態で、いくつ」を先に確認する。
用語の解釈には幅があるので、言葉で合意するより具体で確認した方が確実です =三。・o・)ノ
初心者がやりがちなミス
- ファイル名が「オーディオ01」のまま — 相手はどれが何か分からない。パート名を付ける
- MP3で送る — 圧縮データはMIXに不向き。WAVで送る
- サンプリングレートがバラバラ — 全トラック同じ値で。混在すると事故のもと
まとめ
- パラデータ→ステム→2mixの順にまとまっていく。まとまるほど調整の余地は減る
- オケ・2mix・ステム・パラ・ドライの5語で、たいていのやり取りは通じる
- 曲頭から同じ長さで、素の音を、分かる名前で。これだけで喜ばれる
10月の連載はここまでです。
ピアノロールの読み方から始まって、ミックスの土台、なぜやるのかの各論、環境と仕上げ、そして納品まで。
お付き合いいただきありがとうございました =三。・o・)ノ