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ソロで完璧にしても混ざらない理由 — ソロは「検査」の道具

ソロで完璧にしても混ざらない理由 — ソロは「検査」の道具

ボーカルをソロにして、EQとコンプでじっくり作り込む。
単体で聴くと惚れ惚れするほど良い音になった。
さて全部鳴らしてみると——どこにいるか分からない。\あるある〜/

これ、作業の順番が間違っているだけです。

ソロで良い音と、混ざって良い音は別物

ソロで聴くと完璧に聞こえるボーカルが、混ぜるとどこにいるか分からなくなることを示す図

ソロで音を作ると、人は無意識に「単体で完成した音」を目指します。
低域はどっしり、高域はキラキラ、中域は分厚く。
1本で聴けば確かに豪華です。

でもそれは、使える帯域を全部使い切った音でもあります。
全パートが同じことをすれば、当然席の取り合いになる。
全員が豪華だと、全員が埋もれるんです。

混ざる音は「譲っている音」

ソロで良い音は帯域を全部使い、混ざって良い音は隙間を空けていることを示す比較図

ミックスで必要なのは、自分の役割の帯域だけを持ち、それ以外は譲っている音です。

ソロにすると物足りなく感じるかもしれません。
「なんかスカスカだな」と。
でもオケの中では、その空いた部分に他のパートが入って、全体として豊かになる。
単体の完成度ではなく、全体での役割で判断するのがミックスの視点です。

だから鉄則はこうなります。音作りもバランスも、全部鳴らしたまま判断する。
EQを触るときも、コンプを触るときも、オケと一緒に鳴らす。
そのほうが遠回りに見えて、結果的にずっと速いです。

ではソロは何に使うのか

ソロの正しい使い方としてノイズ探し・問題箇所の特定・処理の効き確認を挙げた図

ソロが無意味なわけではありません。検査の道具としては非常に優秀です。

  • ノイズを探す — クリック音、リップノイズ、エアコン音。混ざっていると気づけない
  • 問題箇所を特定する — 団子の犯人がどのトラックか絞り込む
  • 処理の効きを一瞬だけ確認する — EQで削った帯域が狙いどおりか

共通しているのは、どれも「判断」ではなく「確認」だということ。
バランスや音作りの正解を決めるのはオケの中で、ソロは問題を見つけるために一瞬だけ使う。
この住み分けができると、ミックスが一段安定します =三。・o・)ノ

初心者がやりがちなミス

  • 1トラックずつ完成させてから次に進む — 全部鳴らして粗くバランスを取ってから、細部に入る方が速い
  • ソロでEQを決める — オケの中で必要な処理は、単体で聴いたときの印象と全然違う
  • ソロで物足りないから足してしまう — 譲るべき帯域を埋め戻している。判断はオケの中で

まとめ

  • ソロで良い音は帯域を使い切った音。全員がそれをやると団子になる
  • 混ざる音は役割の帯域だけを持ち、それ以外を譲っている音
  • ソロは検査の道具。バランスと音作りは全部鳴らしたまま決める