DAWの解説を読んでいると、トラック・チャンネル・バスという3つの言葉が次々出てきます。
どれも「音の入れ物」っぽいのに、微妙に使い分けられている。
ここを整理しておくと、ミックスの解説が一気に読みやすくなります。
3つの違いは「どこから見ているか」

- トラック — 素材を置く場所。録音データやMIDIを並べる横長のレーン
- チャンネル — 音が流れる通り道。フェーダー・パン・エフェクトが並ぶ縦の列
- バス — 複数の音が合流する場所
ややこしいのは、トラックとチャンネルが同じ1本の音を別の角度から見ているだけだということ。
アレンジ画面で見れば「トラック」、ミキサー画面で見れば「チャンネル」。
実体は同じです。
しかもDAWによって呼び分けが曖昧で、公式マニュアルですら混在していることがあります。
だから混乱するのは、あなたのせいではありませんw
バスが分かると、ミックスが楽になる

実用上いちばん大事なのがバスです。
たとえばドラムをキック・スネア・ハイハット…と6本に分けて録った場合、全部をドラムバスに送ることができます。
こうしておくと何が嬉しいか。
- ドラム全体の音量を1本で動かせる — 6本をいちいち同じだけ上げ下げしなくていい
- ドラム全体にまとめてエフェクトをかけられる — コンプを6個挿すのではなく、バスに1個
- バランスが崩れない — 6本の中での比率を保ったまま、全体だけを動かせる
センドとインサートの記事で書いたセンドも、送り先はバスです。
リバーブ用のバスを1つ作って全員をそこに送る、というあの構成ですね。
すべての音が集まる場所 = マスターバス

そして最後の合流点がマスターバス(マスタートラック、ステレオアウトとも)。
ここを通った音が、そのまま書き出されるファイルになります。
注意点として、マスターに挿したエフェクトは全パートに効きます。
「ボーカルだけ少し明るくしたい」のつもりでマスターのEQをいじると、ドラムもベースも明るくなってしまう。
個別の調整は個別のチャンネルで、全体の仕上げだけマスターで——が原則です。
このマスターでの仕上げこそがマスタリングの領域にあたります。
初心者がやりがちなミス
- バスに送ったのに元のトラックも直接マスターに出ている — 二重に鳴って音量が倍になる。送り先を切り替えたか確認
- マスターのフェーダーで全体音量を調整する — 書き出しレベルが変わる。全体を下げたいときは各チャンネルかバスで
- バスを作りすぎて迷子になる — 最初はドラムバスくらいで十分。増やすのは必要になってから
まとめ
- トラックとチャンネルは同じ音の別の見え方。置き場か通り道か
- バスは複数の合流点。まとめて音量調整・まとめてエフェクトができる
- マスターバスは全部の最終合流点。ここのエフェクトは全パートに効く