前回のピアノロールの記事で、左端の鍵盤が縦軸の目盛りだと書きました。
その目盛りには「C3」「F2」みたいな名前が付いています。
歌の音域を調べると「男性のキーはF2あたりから」なんて説明が出てきますよね。
でもF2って、鍵盤のどこなんでしょう。
そして厄介なことに、この表記には流儀が複数あります。\まじか〜/
まず読み方: 音名 + 何段目か

「C3」のCは音名。
ドレミファソラシを英語にするとC・D・E・F・G・A・Bで、Cが「ド」です。
そして3はオクターブ番号——高さの段を表す数字です。
つまりC3は「3段目のド」、F2は「2段目のファ」。
数字が大きいほど高い音になります。
音名と段数の組み合わせで、鍵盤上のたった1つの音を指定しているわけですね。
罠その1: 数字は「C」で繰り上がる

ここが1つ目の初見殺しです。
数字が増えるタイミングはCのところ。
つまりA3 → B3 → C4 → D4…という順番で進みます。
「Aから始まってAで繰り上がる」と思い込んでいると、A3とC4が実は隣同士の近い音だと気づけません。
アルファベットはAから始まるのに、オクターブの区切りはCから。
この食い違いが、音域を数えるときに地味に効いてきます。
罠その2: 「真ん中のド」の呼び方が統一されていない

こちらが本命の罠です。
ピアノの真ん中にあるド(MIDIノート番号でいう60番)を、メーカーによってC3と呼んだりC4と呼んだりします。
- C4と呼ぶ — 国際式(科学的表記)やGM規格など。音楽理論の教科書はこちらが多い
- C3と呼ぶ — ヤマハ系の流儀。Studio OneやCubaseはこちら
- C5と呼ぶ — FL Studioなど一部のDAW
同じ鍵盤、同じ音、同じMIDIノート60番なのに、名前が3通りある。
だからネットで「この曲の最高音はG4」という情報を見つけても、書き手がどの流儀かによって1オクターブずれる可能性があるわけです。
音域の話で噛み合わないときは、だいたいこれが原因です。
対処法はシンプル
全部覚える必要はありません。
自分のDAWで「真ん中のド」が何と表示されるかを1回だけ確認する。それで終わりです。
ピアノロールで適当に音を置いて、鍵盤の中央あたりのドの表記を見る。
Studio OneならC3と出るはずです。
あとは外部の情報を見るときに「この人はC3派? C4派?」と一呼吸置くだけで、迷子はほぼ防げます。
初心者がやりがちなミス
- ネットの音域表をそのまま自分のDAWで探す — 流儀が違うと1オクターブずれる。合わないと感じたら上下1オクターブを確認
- 「C#」と「D♭」を別の音だと思う — DAWの中では同じ鍵盤。表記の好みの違いで、鳴る音は同じ
- ボーカルの音域を実音で考えてしまう — 男性ボーカルの楽譜は1オクターブ上に書く習慣があり、ここでもズレが起きやすい
まとめ
- C3 = 音名(C=ド) + オクターブ番号(3段目)
- 数字はCで繰り上がる。B3の次がC4
- 真ん中のドの呼び方はC3/C4/C5と流儀がある。Studio OneはC3。自分の環境で1回確認すれば十分
次回はいよいよ、和音(コード)の話です。
「Cはドミソ、Dはレファ#ラ…」と暗記させられがちなアレ、実は覚えることは1つしかありません。