DAWのメーターは、なぜ0が一番上で、そこからマイナスで数えるのか。
そして-6dBだの-12dBだのは、結局どれくらいの違いなのか。
毎日目にしているのに説明されないdB(デシベル)の謎を、今日は解いておきましょう。
0dB = デジタルの天井
DAWのメーターの0dB(正確にはdBFS)は、「デジタルで記録できる最大値」を意味します。
つまり0が天井で、そこからどれだけ下にいるかをマイナスで表すものさし。
「音量がプラスになる」ことは原理的にありえず、0を超えようとした音は潰れます(32bit floatの記事でやった、あのクリップです)。
だから録音もミックスも、天井までの余白(ヘッドルーム)を残しながら、マイナスの世界で仕事をするわけです。

dBは「距離」ではなく「倍率」

もう一つの謎、-6と-12の差。
dBは1目盛りずつ等間隔に増える「距離」の単位ではなく、倍率の単位です。
ざっくり、6dB下がるごとに信号の振幅は半分。-6dBで半分、-12dBで4分の1、-18dBで8分の1です。
なぜこんな回りくどい仕組みかというと、人間の耳が「かけ算」で音を聞いているから。
倍々で変わる感覚を、足し算で書けるように発明されたのがdBなんです。

実用の目安
- 録音レベル — ピークが-12〜-6dBあたりに収まる位置が扱いやすい。0ギリギリを攻める必要はない
- 「3dB変えた」 — 聴いてはっきり分かる変化。「1dB」は注意して聴くと分かる程度
- フェーダーの0 — こちらは「増やしも減らしもしない」の意味の0。メーターの0(天井)とは別物なので混同注意
まとめ
- メーターの0dBはデジタルの天井。音量はマイナスの世界で管理する
- dBは倍率の単位。-6dBごとに振幅が半分
- 耳はかけ算で聞いている。だから足し算で書けるdBが便利